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99.Jan.Vol 85

ホームステップ通信
当社では毎月20日にホームステップ通信を刊行しています。暮らしにまつわる 便利情報や高齢者のためのすまいづくりなど毎月盛りだくさんの話題をご提供して おります。発送ご希望の方はこちらまでメールください。

 

建設廃棄物処理について


ゴミ問題はここ数年特に問題になってきています。ゴミの中で最も多くを占めるのが、建設廃棄物です。こう書くと、当社も含め建築に携わる業者が悪者扱いされるわけですが、家や建物の建替え、増改築は、必然的に多くの廃棄物を出すことになるのです。かといって、分別、リサイクルしようとすると、廃棄物処理コストはさらに高くなってしまいます。建替え、増改築をしたことのある方なら、見積書の残材処理費という項目を見て「なんでゴミにこんなにお金がかかるの?」と思われたでしょうが、これは廃棄物処理の最低料金なのです。中には「家を建てるのに大金を払うのだからゴミ代くらいまけてよ。」とおっしやる方もあり、廃棄物処理費についてなかなか施主さんに理解いただけないのが現状なのです。こうした中、廃棄物処理を少しでも安く上げようと不法投棄をする処理業者も出てきてゴミ問題はさらに大きくなっているわけです。

このように大問題になっている廃棄物処理を対処しようと、建設省は「建設廃棄物リサイクル法案の立法化へ準備を進めています。

内 容

·  全ての建築物の解体は手作業による「分別解体」が義務付け

·  施主による解体コスト負担の明確化

·  旧建築物の解体は事前に「解体確認」届が必要

·  解体業者は各地方自治体が審査、認定した登録業者に限定

·  解体工事施工技術の基準策定、リサイクル技術の開発

狙 い

可能な限り分別解体をして、建設廃棄物を最小限にすることと、焼却処分に対する相応の負担によりゴミ問題を解決していこうということ

 

施行されると・・・

·  人件費・・・手作業による分別解体解体日数が倍以上となり、費用は23

·  廃材・残材処理費・・・現行の2倍徴収することになると、例えば建て替え費用が2500万円であった場合、約1216%の費用が付加されることになる

対 策

これを単なるコストアップではなくゴミ対策、生活環境問題として捉え、廃材・残材減量のためにできることを考えてみました。



今あるものを生かした改装を

どうせ改装するなら全て新調したいと思う方もいるかもしれませんが、今あるものを改装しても使えないか検討してみましょう。例えぱ、間仕切りの扉を改装後もそのまま使う、内装をかえても使える機器(トイレ、洗面台、浴槽、など)は設置し直して使う、など。
また、建て替えを考えているなら、なんとか今の家を改装して住めないか検討してみるのもいいと恩います。長年住んできた家なら愛着を持って直しながら住んでいくのもいいのではないでしょうか。

 

 

建て替えるなら長く住める家を


建て替えるのなら業者任せにしたり慌てて建てたりせず、じっくり検討して納得のいくプランを立て、風土に合った長く住める家を建てることをお勧めします。せっかく建てても建て替えサイクルの短い家では、廃材を増やすことになり、その分無駄なコストがかかってしまいます。

リサイクル可能な建材・工法の開発


現状で建築廃棄物のリサイクル率は約4割に過ぎません。分別解体されるようになっても、リサイクル技術が進まない限り多くの廃棄物をゴミとして捨てなければなりません。廃材を再利用していける技術、また再利用しやすい建材・工法の開発、焼却処理できる建材の開発が今後の課題といえます。

joho@homestep.com